信州型フリースクール認証制度について
長野県は、学校に行けない、又は行かない選択をした子どもの多様な学びの場の提供・充実を図るため、県内のフリースクール等民間施設を認証し、財政や体制支援等を実施する「信州型フリースクール認証制度」を令和6年4月に創設しました。
基本的な考え
制度・支援のポイント
- 子どもが持つ様々な学びの希望・保護者の思いにより添うため、出席扱いとなる利用児童生徒がいることは原則問いません。出席扱いは在籍校の判断に委ねられており、フリースクールの取組だけでは解決できないケースであることを考慮するとともに、利用児童生徒・保護者の様々な学びの希望により添うため、出席扱いの児童生徒がいることは原則問いません。
- 信州の豊かな環境・地域に根差した学びを実践するため、地域・社会資源(自然・歴史・文化・人材)の活用を推奨しています。多くのフリースクールで地域・社会資源(自然・歴史・文化・人材)を活かした実践的な学びや体験活動が行われていることを踏まえ、地域に開かれたフリースクールとして、周囲の理解や協力を得ながら取り組む活動を推奨しています。
- 多様な学びや活動を後押しするため、居場所と学び、それぞれの役割に応じて、認証を類型化しています。子どもの心理状態などの段階に応じて、それぞれのフリースクールが提供する学びの多様性や役割を尊重します。また、フリースクールを利用する児童生徒の実情を踏まえ、“居場所支援”、“学び支援”として、認証を類型化しています。
- 認証フリースクールの学びの充実を促すため、研修・情報発信・連携促進等、運営をトータルで支援しています。認証フリースクールが、県内各地で多様な学びを提供し、継続的に運営していくことができるよう、研修・情報発信・連携促進、運営経費の支援等、トータルな支援を実施しています。
- こども・若者等の意見を聴きながら、改善に取り組み、こども・若者を含む県民と共に育てる制度を目指します。制度創設後も、こども・若者を含む県民の方々からの意見を聴きながら、こども・若者を取り巻く環境の変化に応じて制度の改善に取り組む等、皆で共に育てていく制度としています。
認証区分
居場所支援型
学び等の土台となり得る、社会的自立や生活自立に向けた相談支援に重点を 取り組んでいるもの
学び支援型
居場所支援のほか、比較的高い開所頻度により、学びの提供に積極的に取り組んでいるもの
認証期間
認証は、3年間有効です
主な認証基準
居場所支援型 | 学び支援型 | |
---|---|---|
活動目的 | 県内に所在し、不登校児童生徒等への支援を主な目的としていること(法人・個人は問わない) | |
利用児童生徒数 | 県内居住の義務教育段階の不登校児童生徒等が複数人利用していること | |
スタッフの資格 | 資格等の保有は問わない | 1人以上が教員免許を取得していること |
開所日数 | 週1日以上、平日の日中時間帯に開所していること | 週3日以上、平日の日中時間帯に開所していること |
活動実績 | 1年以上の活動実績があること | |
在籍校との連携・協力 | 利用者の個々の状況や特性に沿った伴走方針や支援計画等を策定し、在籍校と十分な連携・協力関係を構築していること | |
在籍校での出席扱い | 在籍校での出席扱いは問わない | 在籍校での出席扱いは問わないが、希望がある場合、そのうちの1人以上は出席扱いを受けていること |
- 全13項目ある基準等の詳細は「信州型フリースクール認証制度実施要綱」(別表1)をご確認ください。
認証により受けられる支援
認証フリースクールに対しては、運営経費の補助のほか、研修・情報発信・連携促進等、トータルでの支援を行います。
運営経費への支援(補助)
居場所支援型 | 学び支援型 | |
---|---|---|
補助対象経費 | 職員人件費
支援充実に必要な経費
| |
補助率 | 1/2以内 | |
補助限度額 | 1者あたり開所日数や実利用人数により年間48〜60万円 | 1者あたり開所日数や実利用人数により年間140〜200万円 |
運営体制への支援
- 研修実施 “学びの自由さや多様性”を尊重しつつ、認証フリースクールとして理解・実践が必要な事項についての研修を実施します
- 情報公開/発信 利用児童生徒や保護者が選択しやすくなるとともに、フリースクールに対する理解と認知度向上を図るための情報公開を支援します
- 連携促進(横の繋がりづくり) 認証フリースクール同士が主体的に連携づくりを行う場合に支援を行います
- 継続的なフォロー 認証フリースクールが、各地域で継続的に運営していくためのフォローを行います
制度創設の背景
長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」では、社会を変革するプロジェクトとして、8つの「新時代創造プロジェクト」を設定しています。
その中の一つ「個別最適な学びへの転換プロジェクト」では、「子どもたち一人ひとりに合った学び」を掲げ、学校における児童生徒一人ひとりのニーズ、個性、認知・発達の特性に応じた個別最適な学びの実現と共に、不登校児等生徒等への多様な学びの選択肢の提供を目指しています。
令和6年4月に創設した「信州型フリースクール認証制度」はその取組の一つです。
フリースクール等民間施設は、増加する不登校児童生徒等に対する多様な学びの場(学びの選択肢)の確保のために重要な役割を果たしていますが、その一方、運営基盤が脆弱なこと等の課題を抱えています。
本制度では、子どもたちの置かれている状況や学びの希望を 、信州の豊かな環境を活かしながら取り組む、多様性に富んだ学びを提供するフリースクール等民間施設を県が認証して必要な支援を行います。
長野県では、本制度を創設するにあたり、学識経験者・教育関係者・フリースクール等民間施設運営者・保護者等の意見を聴くため、「信州型フリースクール認証制度検討会議」を設置し、検討を進めました。
「しあわせ信州創造プラン3.0」の詳細や、そのほかのプロジェクト等については「長野県の取組」ページをご覧ください。